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司法の責任放棄した不当判決下される 上告して死ぬまで頑張りたい 京都生存権裁判大阪高裁判決

 3月14日、「生活保護の老齢加算廃止は違法」などを訴えた京都生存権裁判の大阪高等裁判所での控訴審で、原告の訴えを退ける判決が下されました。報告集会には近畿地方を中心に100人以上が参加し、裁判の報告や今後の運動について交流しました。不当判決を受けて、たたかい続ける決意が高まっています。

 判決当日、裁判所前で寒い中、朝8時半から宣伝行動が行われました。原告の松島松太郎さん(86)、京都生存権裁判支える会のメンバー、弁護団、全大阪生活と健康を守る会連合会から支援者が参加し、通勤・通学などで周辺を行き交う人たちに「老齢加算の復活を」と訴え、ビラをまきました。

これで終わらせないでたたかいを続けよう

 裁判では「主文、本件控訴を棄却する」と裁判長から冷酷な判決が下されました。
 報告集会では弁護団が判決文について検討する間に、参加者から判決についての思いと今後の決意が語られました。松島さんは「判決の結果は非常に残念。このまま引き下がったのでは何もならない。最高裁でもうひと踏ん張りがんばりたい」、三島義温(よしはる)さん(82)は「あらかじめ判決を予期していた。考えて見ると昔の姥棄て山になるのではないかと思った。上告して死ぬまで頑張りたい」、金原(かねはら)辰夫さん(76)は判決が最高裁と同じことを言っていることに対して批判し、「何で大阪高裁は福岡高裁みたいに『正しいものは正しい、悪いものは悪い』と言えないのか」と怒りをあらわにしました。
 生存権裁判全国弁護団長の竹下義樹弁護士は今回の判決を踏まえて、現場での社会保障をまともに検証しないことなどに触れて、日本の裁判官の人権感覚を糾弾。また、「これで終わらせず、裁判でのたたかいを続けて行く」と話しました。
 生存権裁判を支援する全国連絡会の朝日健二副会長は「裁判官に生活実態が伝わらなかったことは残念」と、老齢加算が削られた生存権裁判を「第二の朝日訴訟としてたたかい抜きたい」、全生連の松岡恒雄会長(大生連会長)は、「判決は腹立たしい内容で怒りを覚える。私たちは運動団体として高齢者の生活実態を世に知らしめていく」と話しました。

今までの生存権裁判で一番ひどい判決だ

 弁護団の吉田雄大弁護士は判決文を見て「紙も内容も薄っぺらい」と話し、廃止について批判的な視点が見いだせないこと、消費物価指数の下落、政策の選択について司法の役割を放棄していることに触れて「これまで出された最高裁の東京生存権裁判判決を含む判決の中で一番ひどい」と報告。兵庫生存権裁判を支援する会、京都総評、生存権裁判北九州弁護団からも連帯の発言がありました。
 最後に、全京都生活と健康を守る会連合会の中村東輝子会長は、「最高裁へ向けてのたたかいを強め、支援を広げて、負けないで頑張りましょう」とあいさつをしました。
 大阪・港生活と健康を守る会の田中春夫さん(62)は、「原告の死ぬまで頑張るという決意に助けられた。政治も裁判所も変えていかなければならない」と話しました。

(2012年4月1日号「守る新聞」)

 
   
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