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福岡生存権裁判 最高裁が原告勝訴の高裁判決破棄 高裁差し戻しで新たなスタート

 最高裁判所第2小法廷(千葉勝美裁判長)は4月2日、「70歳以上の生活保護受給者に支給されていた老齢加算の廃止は憲法違反」と取り消しを求めて、北九州市の39人が提訴した福岡生存権裁判の原告勝訴の福岡高裁判決を破棄、審理を同高裁に差し戻す不当判決を言い渡しました。

 福岡生存権裁判の原告団を代表して上京した原告団長の阿南清規(せいき)さん(81)、平山フサ子さん(77)、毛利吉彦さん(77)を先頭に、朝8時から最高裁判所前で宣伝行動。
 ハンドマイクで次々と訴え、「老齢加算の廃止は(厚生労働大臣の)裁量権を逸脱(いつだつ)しており、正当な理由のない保護基準の不利益変更で、生活保護法56条に違反する」とした2010年6月14日の福岡高裁勝訴判決確定を求めました。青森、宮城、福島、埼玉、東京、神奈川、新潟、京都、福岡から、会員、支援する会、弁護士などが続々集まり、110人を超えました。

「敗訴ではない」報告に拍手わく

 10時半に判決が言い渡され、待ち受ける支援者の前に現れたのは「不当判決」の垂れ幕。でも、高木健康(たてやす)弁護士の「判決は『福岡高等裁判所の判決は破棄する。そして審理を福岡高裁に差し戻す』という内容。敗訴ではありません」との報告に、大きな拍手と「当然!」の声がわきます。
 高木弁護士は、「福岡高裁が厚労大臣の裁量の逸脱があるとしたのは、破棄を免(まぬか)れない。そこで、さらに審理をつくすため、再度高裁で検討せよという内容」と説明します。判決には、保護基準の改定や激変緩和措置(げきへんかんわそち)を行う場合も「高齢者の尊厳が全(まっと)うされるとともに、健康で文化的な最低限度の生活の確保が損なわれることがないように特に慎重な配慮が望まれる」という須藤正彦裁判官の意見がつけられ、全国8か所でたたかう生存権裁判で「この立場であらゆる裁判所で訴えよう」と呼びかけました。
 「頑張りましょう」の声があちこちからあがります。最高裁に向かって「最高裁は憲法の番人の役割を果たせ」と唱和し、決意を示しました。

世論に訴えてひと踏ん張り

 原告の毛利さんは、「新たなスタートラインに立った。頑張りたい」と元気に宣言。新潟生活と健康を守る会の清治(せいじ)のり子さん(62)は、「来てよかった!これからのたたかいに弾(はず)みがつく。もっと世論に訴え、原告が生きているうちに勝利判決を聞けるよう、新潟も生存権裁判をやってよかったと言えるよう、ひと踏ん張りしたい」と決意しました。
(小古間ゆりか記者)

(2012年4月15日号「守る新聞」)

 
   
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