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守る新聞で問題解決

差額ベッド代戻る

本紙片手に病院と交渉

東京 大田

 「守る新聞」掲載記事が、事態を解決しました。事は病院入院の際の差額ベッド代で、利用しても徴収されない場合があります。厚生労働省が通知していますが、医療機関では、末端まで情報が十分に浸透しきれていないのが現状で、その必要がないにもかかわらず、支払ったケースは少なくないようです。本紙は2月11日号で誤請求が返金された事例を掲載しました。同じ被害に遭った、東京の大田生活を守る会の会員が、その記事を携えて病院と交渉。一家に降りかかった災難を払いのけました。

急病で病院搬送
やむなく個室へ

 東糀谷班の広瀬良子さんは2月7日、脳溢血で倒れました。救急車で東京労災病院に搬送され、19日間入院しました。幸いなことに症状が軽く、処置も早かったことから、後遺症もほとんど残りませんでした。でも、差額ベッド代という納得しかねる問題が起きました。
 入院の手続きをしたのは、母入院の知らせを聞いて、急きょ駆け付けた娘さんです。「病室は大部屋でもいい」と言ったのですが、空きがありません。病院側にすすめられるままやむなく、差額ベッド代が必要な病室に入る同意書にサインしました。
 娘さんは見舞いのたびに、差額ベッド代が不要な病室の有無を尋ねましたが、返事はいつも同じで、「空いていない」の繰り返しでした。結局、病室を移ることなく退院となり、退院時の支払い総額は24万6592円に上りました。

3人で返金要求
回答はほぼ満額

 無事退院し3月になったある日、2月11日号を読んでいたご主人の誠一さんから大田守る会副会長の立川義子さんに、差額ベッド代のことで相談がありました。
 そして3月7日、33年前に脳梗塞で倒れ、今も半身が不自由な誠一さんが、立川さんと東糀谷班役員の及川治美さんに支えられて東京労災病院へ向かいました。差額ベッド代返金を求めての交渉です。
 まず係の職員に来意を告げました。しかし、「同意書も出ているのでそれはできない」の一点張りです。このままではいつまでたってもらちが明きません。誠一さんが「あなたでは話にならないので、責任者を出してほしい」と強く求めました。するとほどなく、奥の方でこの間の成り行きを聞いていた、医事課の入院係長がやって来ました。交渉スタートです。
 大田守る会の名刺を渡した立川さんが、当該記事を示しながら返金要請の主旨を話します。それを聞いた係長は「話は分かった。厚生労働省からも指導は来ている。差額ベッド代のうち緊急の3日分は徴収するが、残りは3月16日に返金」と返答。ほぼ満額回答です。3人はその場で相談し、了承。返金額は12万9800円でした。

声上げ主張大事
記事は強い援軍

 返金後の3月22日、広瀬さん夫妻宅を立川さんと及川さんが訪問。4人で感想を話し合いました。
 良子さんは感慨深げに次のように話しました。
 「糖尿病と高血圧に加えて新たな病気で大変だ。治療薬を服用し今も頭が重いが、みなさんの世話になり、大いに助かっている。差額ベッド代が戻り、とてもありがたい」
 誠一さんは「病院があんなにもあっさりと返金を認めるとは思わなかった。『守る新聞』が大いに役立った。今回の件を通してあらめて、声を上げることが大事だとつくづく思った」と振り返りました。
 及川さんは「同意書があって個室に入ったとしても、話し合いでいい方向に進むことが分かった。励まされる」と述べました。立川さんは「『守る新聞』の記事の力は大きいと思う。交渉は勇気のいることだが、解決して良かった」と喜びました。

(武政良久通信員)


病院が差額ベット代を請求できないのは
――厚生労働省の通知から――
(2016年3月4日保険医発0304第12号)

  1. 同意書による同意の確認を行っていない場合。同意書に室料の記載がない、患者側の署名がないなどの場合も含む。
  2. 「治療上の必要」により特別療養環境室に入院させる場合。
    救急患者、術後患者など、病状が重篤なため安静が必要、または常時監視を要し、適時適切な看護や介助が必要な人など。
  3. 病棟管理の必要性などから特別療養環境室に入院させた場合で、患者の選択ではない場合。院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる人など。

(2018年5月13日号「守る新聞」)

 
   
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