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ごみ袋不足で悲鳴、市長陳謝へ

市に緊急の申し入れ 松江生活と健康を守る会

 松江市は4月1日から「もやせるごみ」用のごみ袋を3〜4割以上も大幅に値上げしました。そこで3月中に市民がごみ袋を大量に購入し販売店の在庫が急激に減少したなどで新しいごみ袋がスーパーなどで品不足となり、多数の市民に購入困難な事態が生じています。以前からこの値上げ問題を重視していた松江生活と健康を守る会は今回の事態を受け、市に緊急の申し入れと交渉を行いました。

昨年議会で突然発表
生健会は中止を要求

 ごみ袋の値上げは2018年3月議会で突然発表されました。その後、同年10月1日に料金が改定され、新ごみ袋の販売開始、19年3月31日までは旧ごみ袋でも使用可能とし、4月1日から完全実施ということで進められてきました。
 用途別または容積別で10種あるごみ袋のうち、「もやせるごみ」用の30リットルが1袋30→40円、同じく45リットルでは41→60円と、19円も値上げされました。市の説明では「全体としては平均で1世帯当たり月額100円程度の値上がり」とのことですが、低所得世帯にとって大きな負担増です。
 松江生健会(高取謙次会長)では、昨年に値上げの議論が市議会で始まった頃からこの問題を重視し、値上げの中止を求めて松江市と交渉を行ってきました。
 そして今回、値上げに伴うごみ袋の更新が4月1日から行われたものの、新しいごみ袋が品薄のため店頭から姿を消したのです。このため松江生健会は4月19日、市に対し、ごみ袋の不足問題について緊急の申し入れと交渉を行いました。

値上げ強行で混乱誘発
周知不足と“甘さ”指摘

 松江市リサイクル都市推進課は、「住民説明会は881自治会中244にとどまるなど、全世帯に正しく周知できなかった」と述べました。また、「ごみ袋は中国で製造しているので港湾ストなどの影響もあり、迅速に対応できなかった」などと説明しました。
 生健会からは、旧ごみ袋や紙・プラスチック用の資源ごみ袋でも一定の期間収集可とすることや、旧ごみ袋と新ごみ袋への交換は市の環境センターのみで取り扱うのではなくコンビニなどでも可能とする、などの市民の負担軽減を要望しましたが、市は「ルールを守って出した人と差をつけるわけにはいかない」との姿勢に終止しました。
 また、生活保護世帯には一定数のごみ袋を無料で配布をという要求については、市は「ごみ袋代はあらかじめ生活扶助費に含まれているので、受益者負担の公平という点から無料配布は行わない」という回答でした。
 他には、旧ごみ袋のため収集されないごみ袋が長期間放置されると、袋を開け、所有者を確認し連絡対応をしているとの市の説明に、プライバシーの侵害であるので承認しがたいと抗議し、改めるよう求めました。そして全世帯への周知、特に高齢者世帯や自治会に所属しない単身者世帯などに、チラシを全戸配布するなどのきめ細かで寛容な対応が必要だと申し入れました。
 生健会は、ごみ袋の値上げはやめろという要求を無視して値上げを強行したこと、新ごみ袋の需給見込みの甘さが今回の事態を引き起こしたものであるということを真摯(しんし)に反省し、市民に対して謝罪してほしいと要求しました。さらに、安いからといって海外に依存するのはいかがなものか、国内のできるだけ近隣の地域に発注するべきではないか、などとも主張しました。

高まる不安の声と追及
市長が陳謝する事態へ

 生活ごみの処理はインフラ(社会基盤)の中でも軽視できない大切な問題であり、地方自治体の業務の中でも市民生活を支える重要な課題です。多くの自治体がそうだったように、松江市でも生活ごみの回収・処理が以前は無料だったものが、処理施設の更新などを口実に有料化されました。その目的からしても、本来無料で行うことが求められます。
 今回のごみ袋の品薄問題は、値上げありきの市当局のずさんな計画によるところが大きいといえます。市民の不安の声と生健会の交渉以降に高まってきたマスコミの追及の前に、ついに松浦正敬(まさたか)市長は5月8日の定例会見で、陳謝せざるを得なくなりました。
(片寄ひで子通信員、板垣治之さん)

(2019年5月26日号「守る新聞」)

 
   
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