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労災施設の高額利用料負担で厚労省交渉

粘り強く要望し支給認めさせる

千葉県四街道

 ケアプラザは労働中に被災し、重度の障害、傷病を負った労災年金受給者のため、厚生労働省が全国8か所に設置し、一般財団法人労災サポートセンターが委託を受けて運営している労災特別介護施設です。千葉県四街道(よつかいどう)市ある「ケアプラザ四街道」の利用者から、問題点を訴えても取り上げてもらえないと、四街道市生活と健康を守る会に相談がありました。施設の実態を聞き、改善の交渉などを重ねてきました。

相談から発覚

 問題が明らかになったのは、「利用者が第三者委員会に訴えたがどうしたらいいか」と阿部百合子四街道市議から相談があったからでした。四街道市生健会は、利用者の命と権利を無視した運営を行っていることを問題視し、全国生活と健康を守る会連合会とともに厚労省に改善要求をし、2018年12月11日に厚労省労災管理調査官が利用者への聞き取りに入りました。しかし、聞き取り後も改善に向かわず交渉を続けてきました。

国負担へ改善

 改善を要求する中で、19年4月には施設側が一方的に張り紙の知らせで、介護用品のビニールエプロンと手袋を利用者負担としてきました。利用者は改善を求めて施設側と交渉を行ってきましたが、本部の方針として拒否されました。
 そのため10月9日、会員で車いすのケアプラザ利用者3人を含めた、千葉県生活と健康を守る会連合会(千葉県連)と四街道市生健会などの18人が厚労省と交渉しました。
 強く要望し交渉した結果、12月から1人月5000〜8000円かかる介護用エプロンと手袋は国が負担金を出し、利用者の在庫も買い取ることが決まりました。
 厚労省は8月に利用料を一度認めましたが、そのすぐ後に支給しないと覆していました。千葉県連は実態調査と班会で話し合い、厚労省に対して交渉したことが成果につながりました。

改善への要望

 10月の交渉で提出した施設改善の要望は、(1)ビニールエプロンと手袋の購入費の予算をつける、(2)介護士と看護師を増やす、(3)リハビリの先生が1人のため、休むとリハビリが受けられない、先生を3人態勢に増やす、(4)施設長は、方針や決定を張り紙や一方的説明だけ、利用者が質問しても時間がないと断られるので、民主的に運営をする、(5)厚労省が行った食事のアンケートで93%が満足との結果だったが、私たちの聞き取りでは、90人中30人が食費を値上げしたのに、まずくて食べたくないと言っていた。また食材の入札は不明で、一社で10年以上続いているので改善する、(6)施設長と介護課長のパワハラがひどいので改善する、(7)施設長と介護課長を異動する、(8)A棟の避難経路はこのままでは使えないので改善する、(9)利用料の明細表がないので調査する、(10)施設の職員の待遇改善を含め、改善の予算を増やす、の項目で改善を要望しました。
 パワハラについては厚労省も「あってはならない」と断言しました。

さらなる交渉

 四街道市生健会は、「人間として生きていくため」に未解決の要望についても、今後も粘り強くケアプラザ本部と厚労省に交渉していくことを決めました。現在、新しい要望書を作成しています。
(野秀純通信員)

(2020年1月26日号「守る新聞」)

 
   
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