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大阪・八尾 母子餓死問題を検証

二度と犠牲者を出さない対応を

 大阪府八尾市の集合住宅の一室で2月22日、無職の母親(57)と長男(24)の遺体が見つかりました。水道とガスは止められ、食べかけのマーガリンや小銭などしか残っておらず、困窮の末に餓死した可能性が高いとみられています。発見時、母親は死後1か月以上、長男は10日ほどだったとみられています。この重大な出来事について、弁護士や大学教授、大阪社会保障推進協議会(社保協)、全大阪生活と健康を守る会連合会、八尾社保協、八尾生活と健康を守る会などのメンバーが集い、調査団会議を開きました。

4月4日に調査団会議行う

 2月22日に大阪府八尾市で母子餓死事件が発生し、4月4日にその調査団会議を行いました。
 この事件は生活保護を利用していた母親と同居していた息子が餓死しており、家を訪ねたケアマネージャーが声をかけても応答がないのを不審に感じ、鍵がかかっていない玄関戸を開け家に入り、すでに餓死していた2人を発見したものです。

保護費取りに来ずなぜ対応遅れたか

 母親はくも膜下出血で手術した経緯もあり、足が不自由で息子が肩を貸して援助していました。
 昨年の12月26日が翌月1月分の生活保護費の支給日でしたが、この時、母親は保護費を受け取りに来ていませんでした。
 担当ケースワーカーは家まで行き声をかけましたが、応答がないので帰ったといいます。

ケアマネージャーが遺体を発見した

 介護支援を受けていた母親を訪ねたケアマネージャーが応答がないことを不審に思い、家の中に入ったら、倒れていた2人を発見。すでに餓死していたとのことです。
 昨年から料金の滞納を理由にガスや水道が停止されたときもありましたが、とりわけ水道の供給停止は生死に関わるライフラインです。
 生活保護を利用していることを知っていた水道局。また26日の生活保護費を取りに来ていない事態を注視し、訪問して声をかけて家の中に入るなどし対応していたら救済できていたかもしれないなど、特に26日の対応に問題があったという意見が会議では多くありました。
 八尾生健会の吉川均事務局長は「1964(昭和39)年に母子世帯が生活保護を認められずにガス心中した事件があり、67年に『八尾で二度とこのような犠牲者を出さない』を合言葉に生健会が結成された。しかし、今回またこのような事件が起きてしまい、大変無念だ」と語り、「今回の事態を重視し、このようなことが起こらないよう行政に対しきちんと実態を解明し、対策を立ててもらうよう要求していきたい」と述べました。

問題の解明と対策を求めて

 会議は小久保哲郎弁護士が進行し、続いて花園大学の吉永純(あつし)教授から今回の餓死問題の問題点と解決すべき点を、準備された資料に基づいて説明がありました。
 特に確認しなければいけない点として「保護費を窓口払いにしていた理由や現金払いのメリットともいえる安否確認機能が軽視されたのはなぜか」「福祉事務所は水道料金の滞納事実などを把握していたか」「昨年秋頃の生活状況をどう把握していたか」といったことが取り上げられました。
 今後は市に詳細な情報開示請求や質問書を出していく予定です。
(吉川 均通信員)


保護運用 柔軟に

厚労省が事務連絡

 新型コロナウイルス感染拡大で政府の緊急事態宣言を受け、厚生労働省は4月7日付の事務連絡「新型コロナウイルス感染防止等のための生活保護業務等における対応について」で、生活保護の運用に関し柔軟な対応を採るよう各自治体に求めました。緊急事態宣言発令中の7都道府県だけでなく、各自治体で判断して差し支えないとしています。
 保護の申請相談にあたっては「申請意思を確認した上で、申請の意思のある方については、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取する」よう要請し、速やかな保護決定を促しています。
 保護決定にあたっては、福祉事務所は通常、就労できるかを厳しくチェックしますが、今回「こうした判断を留保することができる」としています。
 保護利用者は通常、自動車の保有に関し通勤のためなどと厳しく限定されていますが、今回は、一時的な収入の減少で保護が必要となる人には柔軟な対応を求めています。
 医療の際は通常、利用者は福祉事務所へ行き医療券を発行してもらい指定の医療機関を受診しますが、今回は、電話連絡などで受診できるとしています。

(2020年4月26日号「守る新聞」)

 
   
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