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静岡
生存権裁判

熊本に続き勝訴を勝ち取ろう!

パレードで「引き下げ許さない」の声高く

 全国29か所で約1000人の原告が立ち上がり闘っている生活保護基準引き下げ違憲訴訟は各地で不当判決が出される中、昨年2月の大阪地裁に続き、今年5月に熊本地裁で原告勝訴の判決が出ました。「大阪、熊本に続こう」と各地で士気が高まっています。静岡県生活と健康を守る会連合会の神崎伸子事務局長からの報告です。

裁判前に支援者で集会
バスで40人駆けつける

 静岡県下の静岡市、浜松市、掛川市、袋井市に住む生活保護利用者らが、2013年から3年間にわたり引き下げられた生活保護基準の取り消しを求めた訴訟の口頭弁論が6月2日、静岡地方裁判所で行われました。
 裁判に先立ち、静岡市内の青葉緑地では午前中、県下から集まった支援者約80人で裁判勝利を目指す集会が行われ、県西部からは大型バスに浜松、浜北、磐田、袋井、掛川の生活と健康を守る会(生健会)の会員約40人が乗り合わせて駆けつけました。

後に続く人のためにも
声高らかに市内を行進

 集会は生健会、静岡県労働組合評議会、新日本婦人の会静岡県本部、静岡自治体組合総連合、全日本年金者組合静岡支部、静岡県民主医療機関連合会などの各団体の代表が応援のエールを送り、参加した原告4人を励ましました。主任弁護人の大橋昭夫弁護士は「5月に勝利した熊本判決に続き、国民生活も守る裁判だと自覚して勝訴を勝ち取ろう」とあいさつしました。
 原告の一人で、事情があり提訴後に岡山県で暮らしている須川益雄さん(72)も、岡山から参加しました。須川さんは、参加の理由を「生存権裁判は全国の裁判だが、私自身の裁判でもあるので、どうしても参加しなければいけないと思った。後に続く人のためにも最後まで頑張る」と力強く語りました。
 集会終了後、静岡地裁まで、掛川南生健会理事の鳥羽朝子さんのリードで、全員が声高らかに「保護基準引き下げを許さないぞー」「憲法を守れ」などとコールをしながら、市内の繁華街を行進しました。街行く人々も大きな声をあげパレードを行う集団に注目し、効果は抜群でした。

笹沼教授の的確な証言
若者への広がりが期待

 午後の口頭弁論では、原告側の証人として静岡大学の笹沼弘志教授が証人として立ち、「生活保護法の8条2項にある要保護者への必要な事情の考慮がされておらず、福祉事務所も要保護者の事情を調査していない」と証言しました。
 「8条2項」とは、「保護基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすのに十分なものであって、且つ、これをこえないものでなければならない」というものです。
 また、笹沼教授は、生活保護法を作った当時の厚生省が試行錯誤を重ね、今日に至る結果として「8条2項」があるので、時代による政府の恣意で最低限度の生活の基準が上がったり下がったりしてはならないと指摘しました。笹沼教授の具体的な証言は、実に分かりやすく的確でした。
 弁論終了後は、傍聴できなかった人たちも交えて報告集会が開かれ、笹沼教授のゼミ生も参加してくれ、この裁判の若い人への広がりが期待されます。

(2022年6月19日号「守る新聞」)

 
   
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