消費税減税国会で審議を
税率引き上げが狙いの「国民会議」
東京南部会計税理士 佐伯和雅
消費税が1989年4月に導入されてから37年になります。「社会保障のため」といいながら、社会保障は改悪ばかりです。消費税問題について東京南部会計の税理士・佐伯和雅さんに話を聞きました。
高市首相にだまされるな
「消費税は社会保障財源のために必要だ」と高市早苗首相は繰り返します。消費税は色のついていない一般会計として扱われていますから、社会保障費としてもある程度は使われているのでしょう。
しかし、消費税ほど社会保障財源に相応しくない税金はありません。消費税はほとんどすべての「消費やサービス」に上乗せ代金として加算され、事業者が納税するというとても複雑な計算構造をとっています。
例えば食料品が0%になれば108円の野菜が100円になるでしょうか。生産農家からスーパーの販売までの流通過程と複雑な構造で成り立っている消費税の計算は、このような机上の数字合わせでは正解にたどり着けません。
「国民会議」という結論ありきの会議が今まさに行われていますが、「消費減税が悲願だった」という言葉にだまされてはいけません。短期的に歪(いびつ)な消費税減税は行われるかもしれませんが、長期的には消費税率を上げていき、「給付付き税額控除」で少し配るとの方向性のようです。配るなら初めから徴税しない方がよほどシンプルで公平です。
「給付付き税額控除」とは、例えば、金額を1人10万円と決め、所得税が5万円の人には5万円を給付し、所得税が0円の人には10万円を給付するという制度です。実質的に誰もがメリットを受けられるという制度ですが「給付付き税額控除をやるから、消費税を受け入れて」ということになります。
国民会議ではなく国会で審議するべきです。
大企業などは応分の負担を
消費税が導入されて以降、法人税率は引き下げられ、輸出企業には巨額の消費税が還付されています。国民から吸い上げたお金を財源として、大企業や富裕層の減税が進み、その結果「格差の拡大」と「格差の固定化」が起こっています。大企業、資産家から応分の負担を求めることが必要です。
社会保障制度の改悪も見逃せません。わが国の人口構造上、社会保障費が増加していくのは数十年前から分かっていました。1996年までは医療費の窓口負担は誰でも1割でした。消費税が導入されたのは89年で、消費税が社会保障費に十分に充てられたとの説明はできません。
消費税が導入される前までは、日本の経済はおおむね右肩上がりの成長を遂げてきました。日本経済を復活させ、社会保険制度を「改正」するには消費税を減税するか廃止をし、景気を浮揚させることが必要です。
(2026年4月5日号「守る新聞」)